2020/8/24
初のブルース・レコーディングから100年 ブルース
黒人が歌った最初のブルースのレコードってご存知でしょうか。
それはメイミー・スミス (Mamie Smith, 1991-1946)という女性シンガーが歌った“Crazy Blues”という曲で、1920年8月10日レコーディングされ、その数ヶ月後にオーケー・レコードよりSP盤がリリースされています。そう、今月は初めてのブルースがレコーディングされてからちょうど100年という記念すべき月なのです。100年、すごい長いですよね。1920年といえば第一次世界大戦が終わった2年後、アメリカで大恐慌 (1929年)が起こるより前の話です。日本で関東大震災 (1923年)が起こるより前ですね。ブルースも随分と長い歴史を歩んできたんだなと思わずにはいられないです。
Mamie Smith / Crazy Blues (1920)
1887年に平面円形のレコード盤が発明され20世紀初頭にはレコードが発売されるようになっていましたが、当初のターゲット購買者は白人で、一部の例外を除いて演奏者もほぼ全て白人でした。黒人は購買力がないと考えられていたのです。
しかし、この“Crazy Blues”は黒人層に受け、発売の最初の1ヶ月で75,000枚を売り上げるヒットとなりました。これに味をしめたオーケー・レコード、そしてそのライヴァルのレコード会社もメイミーに続く黒人のスターを探すようになり、1923年にはマ・レイニー、ベシー・スミスが相次いでレコード・デビューしました。
黒人層をターゲットとしたレコードは新たなマーケットとして認識されるようになり、race (人種-つまり黒人のこと) recordの名で呼ばれるようになりました。まだ、白人優位が当たり前の時代だったわけです。
真っ先にレコーディングを行ったシンガーたちってみんな女性なんですよね。少なくともブルースのレコーディングでは男性よりも女性が一歩先を行っていたのです。
では、初めて男性のブルース・レコードはなんなのか?あまり話題にはならないですが、それはエド・アンドリューズという人だと言われています。彼が何者なのかはよくわかってはいないのですが、カントリー・ブルースのシンガー/ギタリストで、1923年にレコーディングを行い1924年にそれがリリースとなっています。他ほぼ同時期 (1923年)にシルヴェスター・ウィーヴァーもギターのインスト曲を2曲レコーディングしています。
パパ・チャーリー・ジャクソンもそれを追うように1924年にレコーディング・デビューを果たしています。
Ed Anderson / Barrel House Blues (1924)
Sylvester Weaver / Guitar Rag (1923)
Papa Charlie Jackson / Airy Man Blues (1924)
いずれにせよ、1923年頃がいっきにレコードを作る機会が増えた時期だということでしょうね。
この時点ではまだレコーディングは電気を使わずに演奏の振動を直接原盤に刻み込む方式で行われていましたが、1925年に電気式のレコーディング技術が導入され、以後レコーディングの精度が飛躍的に向上しました。遠くの音もよく拾えるようになったので、大編成のバンドのレコーディングも増えていきました。
こんなレコーディングの歴史という側面を考えながら昔のレコードを聴くのもまた楽しいです。
それはメイミー・スミス (Mamie Smith, 1991-1946)という女性シンガーが歌った“Crazy Blues”という曲で、1920年8月10日レコーディングされ、その数ヶ月後にオーケー・レコードよりSP盤がリリースされています。そう、今月は初めてのブルースがレコーディングされてからちょうど100年という記念すべき月なのです。100年、すごい長いですよね。1920年といえば第一次世界大戦が終わった2年後、アメリカで大恐慌 (1929年)が起こるより前の話です。日本で関東大震災 (1923年)が起こるより前ですね。ブルースも随分と長い歴史を歩んできたんだなと思わずにはいられないです。
Mamie Smith / Crazy Blues (1920)
1887年に平面円形のレコード盤が発明され20世紀初頭にはレコードが発売されるようになっていましたが、当初のターゲット購買者は白人で、一部の例外を除いて演奏者もほぼ全て白人でした。黒人は購買力がないと考えられていたのです。
しかし、この“Crazy Blues”は黒人層に受け、発売の最初の1ヶ月で75,000枚を売り上げるヒットとなりました。これに味をしめたオーケー・レコード、そしてそのライヴァルのレコード会社もメイミーに続く黒人のスターを探すようになり、1923年にはマ・レイニー、ベシー・スミスが相次いでレコード・デビューしました。
黒人層をターゲットとしたレコードは新たなマーケットとして認識されるようになり、race (人種-つまり黒人のこと) recordの名で呼ばれるようになりました。まだ、白人優位が当たり前の時代だったわけです。
真っ先にレコーディングを行ったシンガーたちってみんな女性なんですよね。少なくともブルースのレコーディングでは男性よりも女性が一歩先を行っていたのです。
では、初めて男性のブルース・レコードはなんなのか?あまり話題にはならないですが、それはエド・アンドリューズという人だと言われています。彼が何者なのかはよくわかってはいないのですが、カントリー・ブルースのシンガー/ギタリストで、1923年にレコーディングを行い1924年にそれがリリースとなっています。他ほぼ同時期 (1923年)にシルヴェスター・ウィーヴァーもギターのインスト曲を2曲レコーディングしています。
パパ・チャーリー・ジャクソンもそれを追うように1924年にレコーディング・デビューを果たしています。
Ed Anderson / Barrel House Blues (1924)
Sylvester Weaver / Guitar Rag (1923)
Papa Charlie Jackson / Airy Man Blues (1924)
いずれにせよ、1923年頃がいっきにレコードを作る機会が増えた時期だということでしょうね。
この時点ではまだレコーディングは電気を使わずに演奏の振動を直接原盤に刻み込む方式で行われていましたが、1925年に電気式のレコーディング技術が導入され、以後レコーディングの精度が飛躍的に向上しました。遠くの音もよく拾えるようになったので、大編成のバンドのレコーディングも増えていきました。
こんなレコーディングの歴史という側面を考えながら昔のレコードを聴くのもまた楽しいです。
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