2018/12/28

ドクター・ジョンはどうしているんでしょう?  ニューオーリンズ

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2018年ももう終わろうとしていますが、ひとつ気になっていることがあります。

それは、とうとうこの一年、一度もドクター・ジョンが表舞台に姿を見せなかったことです。これは彼の長いキャリアの中でも極めて異例なことだと思います。

アルバムも「Musical Mojo of Dr. John」というライヴ盤が2016年に出てはいるものの単独作ではなく、スタジオ作としては2014年夏の「Ske-Dat-De-Dat: The Spirit of Satch」から4年以上ご無沙汰しています。来日は2013年が最後。かつては1、2年に一度くらいのペースで来ていたのにです。

最後に公の場に姿を見せたのは2017年11月1日、ニューオーリンズでの招待客を対象とした誕生日パーティーに出席したのち、ファッツ・ドミノのセカンドライン・パレードに参加しています。その後、同年12月27日、28日とティピティーナズに出演予定でしたが、体調不良でキャンセル。ほぼ毎年何らかの形で出演し続けていた4〜5月のニューオーリンズ・ジャズ&ヘリテッジ・フェスティバルにも今年は当初からラインアップに入っていませんでした。

1月末に彼の広報担当Karen Dalton Beninatoが以下の声明を出しています。
「ツアー続きの生活を60年に渡って過ごしたドクター・ジョンは、ようやく休みを取り、自宅で休養しています。これ以上ショーがキャンセルされることはないので、期待して待っていてください。一番最近彼と話した際には、万事うまく行っているとのことでした。」

しかし、その後も全く動きはなく、今現在も公式サイトに今後のコンサートの予定は一切入っていません。昨年11月1日の映像や写真を見ると、だいぶ痩せてしまったように見えます。僕は2016年にニューオーリンズのジャズフェスで彼を見ましたが、一応ちゃんと演奏はしていたものの、以前より老け込んだようで心配になりました。

セカンドラインパレードに参加するドクター・ジョン


Nov. 21 is Dr. John Day in New Orleans - the Night Tripper turns 77
https://www.nola.com/music/index.ssf/2017/11/dr_john_birthday_77_new_orlean.html

今のところ、最後に行なった公演は2017年10月14日、サウスキャロライナ州ボウマンのイベント「SC State of Beer」のようで、もう14ヶ月もコンサートはやっていないことになります。単に休養しているだけにしては長すぎるし、現在77歳という年齢も考えるとやはり心配になってしまいます。もともと健康そうな人ではないですし。

アルバムも高々4年出していないだけなんですが、彼の場合結構なハイペースで出し続けて来たので、4年もの間新譜を出していないのは、過去30年間では初めてなんですよね。

2018年は、「Gris-Gris」でソロ・デビューを果たしてから50周年という記念すべき年でした。元気なのであれば、その記念ツアーを盛大に行っていたのではという気がします。

2019年は、元気に戻って来てくれることを期待したいと思います。
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2018/12/25

デイヴ・バーソロミュー100歳の誕生日  ニューオーリンズ

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2018年12月25日は、デイヴ・バーソロミューの100歳のお誕生日です。
おめでとうございます!(※98歳という説もあり)

しかも、12月19日に一足先に100回目のお誕生日を迎えたプロフェッサー・ロングヘアとは異なり、バーソロミューさんはご存命です。これはすごいことですね。

彼が育てた大スター、ファッツ・ドミノが昨年亡くなってしまっただけに、彼が存命なのは嬉しいことです。100歳まで生きたミュージシャンってどれだけいるでしょうか?僕は、今思いつくのは同じニューオーリンズのトランペッターで103歳まで生きたライオネル・ファーボスくらいしか思いつきません。

1940年代後半から音楽活動を始めた彼。最近は殆ど公の場に姿をあらわすことはなくなっていますが、お誕生日のパーティーには出席する予定だったようです。しかし、先日体調不良で入院。パーティーも中止になってしまいました。

幸い快方に向かっているとのことで、1日も早い全快を祈りたいと思います。
Happy Birthday, Dave. Thanks for your music! Get well soon!

デイヴ・バーソロミューの比較的最近の映像ということで、2010年のドラマ「Treme」の1シーンを貼っておきます。アーマ・トーマスが歌う"Time Is On My Side"でトランペットを吹いているがバーソロミューです。まだまだ元気そうですね。8年経っていますが、現在はどうなんでしょうか。

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2018/12/22

アート・ネヴィルが引退  ニューオーリンズ

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Art Neville at New Orleans Jazz & Heritage Festival
Fri., May 2, 2008
Photo (c) Masahiro Sumori. All rights reserved.

アート・ネヴィルが12月19日、プレス・リリースという形で音楽活動からの引退を表明しました。アートと言えば、ミーターズを結成し、ニューオーリンズ・ファンクの礎を築いた功績は強調してもしすぎることはありません。長年Poppa Funkの愛称でファンに親しまれてきました。

1977年にミーターズは解散し、アートはアーロン、チャールズ、シリルの兄弟たちとネヴィル・ブラザーズとして活動するようになりました。

アートは背中や腰に痛みを抱えていた上に、過去に脳卒中も経験しており、長年健康問題を抱えつつ、演奏活動を続けていました。引退は残念ではありますが、彼の状態を考えれば驚きはありませんし、仕方なかったのだろうなと思います。

2017年8月、アートはサンフランシスコのフィルモアで予定されていたオリジナル・ミーターズの再結成コンサートを体調不良によりキャンセル。以後1年以上に渡って公の場に姿を見せていません。その間病状も伝わってこなかったので、気になっておりました。

今年2018年、ミーターズはグラミーの生涯業績賞(Lifetime Achievement Award)を受賞。7月にロサンゼルスで授賞式が行われましたが、アートはこれも欠席。息子のイアンが代理で出席し、そこでのミーターズの演奏は、アートの代役としてグレッグ・フィリンゲインズがキーボードをプレイしました。

彼は過去に何度もネヴィル・ブラザーズやファンキー・ミーターズで来日をしていますが、2014年1月のファンキー・ミーターズ来日時に、僕はバンドにインタヴューをする機会がありました。事前に誰が出てくるのかはわからなかったのですが、アートは無理と聞いていました。実際に出てきたのはジョージ・ポーターJr.のみでしたが、楽屋でのインタヴュー終了後、部屋を出たところの廊下にアートが椅子に座っていました。その場でアートが「話してもいいよ」と言ってくれたので、急遽インタヴューをすることができました。

僕の質問に対するアートの反応はとてもゆっくりとしていて、衰えは明らかでしたが、「ジョージが俺について何をしゃべったか知らんが全部嘘だから信じるなよ!」などと冗談を飛ばす一幕もありました。ステージではオルガンの椅子から落ちそうになり、支えてもらいながらプレイをしていました。時折弾くタイミングを間違えたりもしましたが、あんな健康状態でも日本まで来るということは本当に音楽をプレイすることが好きなんでしょうね。そしてライヴが終わると車椅子に乗りながらもサイン会にもちゃんと出てきてファンに向き合っていました。すごいことだなぁと思います。

最後の来日はその翌年2015年の5月、やはりファンキー・ミーターズの公演でした。声もあまり出ておらず、歌詞を忘れて止まってしまったりもしましたが、自由奔放に演奏を楽しんでいるのはしっかり伝わってきました。

インタヴューの際、アートは「ときにきついこともあるけど、音楽は好きだ。もうプレイ出来なくなるまで、プレイするつもりで頑張っているよ」と語っていました。

今回引退を決断したということは、もう今の健康状態では演奏活動はできないと考えたということなのでしょう。残念ですが、彼は1953年にデビューして以来65年という長きに渡りファンを楽しませてきました。もう十分ではないでしょうか。

12月17日、彼は81歳の誕生日を迎えています。彼の今の健康状態が気にはなりますが、今はお疲れ様と言ってあげたいです。

残された人生をのんびりすごしてもらえればと思います。

【過去のブログ記事】
ファンキー・ミーターズ来日公演レポート(2015年)
https://black.ap.teacup.com/sumori/1622.html

ファンキー・ミーターズ来日公演レポート(2014年)
https://black.ap.teacup.com/sumori/1493.html

ファンキー・ミーターズ来日公演レポート(2009年)
https://black.ap.teacup.com/sumori/252.html

ネヴィル・ブラザーズ来日公演レポート(2008年)
https://black.ap.teacup.com/sumori/185.html

※2014年のインタヴューは、Blues & Soul Records誌 No. 117に掲載されています。
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2018/12/19

Happy Birthday Fess!  ニューオーリンズ

本日、2018年12月19日は、ニューオーリンズの偉大なピアノ・プレイヤー、プロフェッサー・ロングヘアの100回目のお誕生日です。生きていれば今日で100歳。1980年1月30日に61歳の若さで亡くなっていますが、もう少し長生きしていてほしかったな。一度生で見たかった人です。

生誕100年にあわせて、今年は未公開インタビューを収録した「Fess Up」というDVDが発売されました。これは1982年の映像作品「Piano Players Rarely Ever Play Together(邦題:ニューオーリンズ伝説)」制作の際に撮影されたもので、90分にも及ぶもの。文字起こしして本にしたいくらい色々なことを語っています。しかも時折ピアノを弾きながら。

フェスのドキュメンタリー映画「Making A Gumbo」の制作は残念ながら完全にストップしてしまっているようですが、途中まで制作はされているはずなので、スタッフを交代してでも完成させてほしいものです。

フェスの代表曲の名を冠したライヴハウス、ティピティーナズはギャラクティックが今後盛り立ててくれそうでよかったです。12月19日当日は、生誕100年記念のライヴが盛大に執り行われる模様です。その場に居たかったな。


ミーターズとの共演のビデオを貼っておきます。


フェス、お誕生日おめでとうございます!
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2018/12/3

ティピティーナズをギャラクティックが買収  ニューオーリンズ

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Tipitina's (2004)
Photo (c) by Masahiro Sumori

ニューオーリンズの歴史あるライヴハウス、ティピティーナズがどうやらファンク・バンドのギャラクティックの手に渡ったようです。まだ正式な発表はないものの、地元テレビ局WWLがギャラクティックの弁護士に電話取材をしたところ、事実関係を認めたということです。11月17日の時点で、ギャラクティックが買収に向けて動いているとの報道が流れていました。

言うまでもなく、ティピティーナズはニューオーリンズを代表するライヴハウスの一つで、ネヴィル・ブラザーズやDr.ジョンなど、ニューオーリンズ内外の名だたるミュージシャンたちがプレイしてきましたし、ここでレコーディングされた作品も多く存在します。ニューオーリンズに興味を持ったことのある人ならば、一度は名前を聞いたことがあるクラブでしょう。

プロフェッサー・ロングヘアの楽曲”Tipitina”にちなんで名付けられたこのクラブは、1977年、まだフェスが存命の頃、チューレーン大学の卒業生や学生が資金を持ち寄って市内のアップタウンに開店しました。以前からあった古い建物をライヴハウスに改築したそうです。場所はナポレオン・アヴェニューとチャピトゥーラス・ストリートという大通りの交差点にありますが、繁華街からは離れた住宅街の中に位置しています。

フェスは1980年に急逝しましたが、生前はしばしばティピティーナズに出演しています。

1996年に投資家のローランド・フォン・クルナトフスキー (Roland Von Kurnatowski)が当初の所有者たちから買い受け、以後20年以上に渡り所有者であり続けました。クルナトフスキーは、1998年にフレンチクオーターにティピティーナズの2店舗目を出店(その後閉店)、また2003年にはミュージシャンたちを支援する非営利団体、ティピティーナズ基金も立ち上げています。

しかし、クルナトフスキーは投資話で複数の被害者から訴追を受けている厳しい状況にあり、ティピティーナズを手放さざるを得ない状況になっていた模様です。

どのような経緯でこの売却劇がまとまったのかは不明ですが、今後とも変わらず健在であり続けてほしいものです。

【情報源(WWL-TV)】
Funk band Galactic buys famed Tipitina's music club (WWL-TV)
http://www.wwltv.com/article/news/local/funk-band-galactic-buys-famed-tipitinas-music-club/289-619181183

2018/12/07追記
12月4日にバンド側からFacebookと公式サイトを通じてコメントがありました。
以下、Facebookのコメントです:
「僕たちは、大好きな場所であるティピティーナズの新しい所有者となりました。この発表できることを嬉しく思います。
僕たちの目標は、ティピティーナズという会場とブランドを通じ、ニューオーリンズの音楽や文化ならびに財産の未来を保全、促進、保護することにあります。ミュージシャンたち、そしてニューオーリンズの市にとってのティップス(訳注:ティピティーナズの愛称)が持つ意味の重要性を尊重することを僕らは決して忘れません。僕らはこのライブハウスで今後展開されるであろう素晴らしい音楽と楽しい時間を考えるとワクワクするし、待ちきれない思いです。
ティピティーナズの購入についてより詳しくは http://galacticfunk.com をご覧ください。そして、今年の大晦日、僕らはティピティーナズで新たな門出を祝います。皆んなも参加してほしいと思っています。( http://bit.ly/Tips_NYE )」
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