2015/4/9

ブルース&ソウル・レコーズ増刊号出ました  BSR誌

クリックすると元のサイズで表示します

ブルース&ソウル・レコーズ増刊
 伝えておきたいブルースのこと50

スペースシャワーネットワーク刊
2015.03.25発売
¥1,500+税

新しいブルースの紹介本が発行されました。ブルース&ソウル・レコーズ誌の増刊号という位置づけで、全ての内容は同誌の濱田廣也編集長が執筆しています。

2ページのエッセイ50本を通じ、ブルースの歴史を戦前から今日に至るまで追っていくものですが、通りいっぺんの事実を追うものというよりは、タイトルからも判るとおり、彼の独自視点での「言いたいこと」「伝えたいこと」がちりばめられているのが特長です。

その主張にはうなずく部分もあればそうでもない部分もありますが、カラー写真も満載で楽しく読み応えのある内容だと思いました。巻末には、枚数的には少ないもののディスクガイドも付いています。

スティーヴィ・レイ・ヴォーンを取り上げた部分(ギター・ハリケーン到来──スティーヴィ・レイ・ヴォーンとブルース回帰)で、スティーヴィ・レイ亡き後の傾向について、「『ブルースを演奏する』のではなく『スティーヴィ・レイ・ヴォーンを演奏する』ような者がいたのは残念」としているところは、判らなくはないものの、僕はちょっと意見が違うなと感じました。

僕は、そのようなスティーヴィ・レイ・フォロワーたちが多く登場したことにより、彼の存在の大きさに改めて気づかされたのでした。

B.B.キングやリトル・ウォルターなど、大物というプレイヤーの後には、必ずそのそっくりさん的なフォロワーが出てきます。スティーヴィ・レイが存命のときは、僕は正直言って彼がそういう大物のひとりという認識が殆どありませんでした。来日公演も行ったし、新作が出れば買っていましたが、どちらかというと彼自身が大物というよりは、アルバート・キングであったり、ジミヘンであったりと、彼が先人のファンであり、フォロワーであるというイメージが強かったんですよね。

それが、90年代以降、彼の楽曲やギター・スタイルに強く影響を受けた人たちを聴くにつれ、彼も独自のスタイルを持った大物だったんだなと実感させられたんです。そういうフォロワーには、バーナード・アリソンのように黒人ミュージシャンもいます。それは、ブルースは黒人が生み出し、白人がそれをコピーするというかつての典型的な流れも崩れ、新時代になったことの証でもあります。

とは言え、濱田氏の言いたいところはブルースをもっと広い視野で見てほしいということですし、それは全く同感です。

色々ためになり、考えさせられる一冊ですので、是非お手に取ってみて下さいね。

しかしまぁ、ひとりでこれだけの著書を書いてしまうというのはたいしたものです。「ブルースCDガイドブック」を一人で書き上げた小出斉さんに近づいているんでは?(笑)

---

*誕生から現在まで50のトピックで知るブルースの歩み

目次

はじめに──ブルースの背景に惹かれて
ブルース年表──ブルースの歩み
ブルースゆかりの街を知る──ブルース・タウン地図

1)ブルースはどこから──アフリカ由来とアメリカ生まれ
2)ジム・クロウ・ブルース──ブルースの生まれた時代
3)ラグタイム大流行──ヨーロッパとアフリカが出会ったダンス・ミュージック
4)ブルース第一世代──舞台はあやしい薬売りのショー
5)母なる大地ミシシッピ・デルタ──ブルース誕生の有力地
6)紙の上のブルース──W・C・ハンディとブルースの広まり
7)溝の中のスミスさん──女性が放った初のブルース・ヒット・レコード
8)初のギター・ヒーロー登場──ブラインド・レモンとブラインド・ブレイク
9)ブルース整理術──スタイルや地域で捉えるブルースの多彩さ
10)漂う歌詞をつかまえて──ブルースの歌詞を読み解く
11)聖なる歌と悪魔の音楽──ブルースのすぐ隣にあるキリスト教
12)ブルースは借り物でなく──米国南部の白黒音楽交流
13)黒猫の骨とウサギの足──アメリカ南部の土着フォークロア
14)ブルース、街へ出る──洗練されたシティ・ブルース
15)“クサい”ジャズにコロり──ブルースと分ち難いアーリー・ジャズ
16)ブギ・ウギしなけりゃ…──ピアノが生んだ根幹ビート
17)リストラで進化──華やかに浮上するリズム&ブルース
18)電気の力でパワー倍増──エレクトリック・ブルース
19)独立レーベル戦国時代──レコード産業の隆盛と“戦後ブルース”重要レーベル
20)カクテル・ブルースに酔う──ロサンゼルス〜西海岸の洒脱なブルース
21)ワイルドなヴァイタリティ──ヒューストンの泥臭ジャンプ・ブルース
22)電波に乗ったブルース──人気ラジオ番組と黒人DJの登場
23)ブルースの都メンフィス──荒削りが魅力のサザン・ブルース
24)大都会の輝きに惹かれて──シカゴ・ブルースとマックスウェル・ストリート
25)黄金のマディ・バンド──ロックを生んだシカゴのアンサンブル
26)ブギ魔人と稲妻ブルース──望郷のダウンホーム・ブルース
27)ブルース、吹き飛ばされる?──巻き起こるロックンロール旋風
28)気怠い湿地帯ブルース──ルイジアナの魔法使い、ジェイ・ミラー
29)都会の夜のブルーな儀式──黒人街に響くアーバン・ブルース
30)シカゴのモダンな三羽烏──シカゴ・ブルース新世代の台頭
31)ブルースはヒップ──フォーク・リヴァイヴァルによる“再発見”
32)嫌われても時代とともに──ソウル時代のトピカル・ブルース
33)大西洋の向こうで──ブルースマンの欧州上陸とブルース・ブーム
34)力強い支持者あらわる──ブルースを愛す米国の若者たち
35)三大キングの居場所──ロック・マーケットの片隅で
36)ブルースに帰って──ジミ・ヘンドリクスと彼のブルース
37)実験? 迷走? 冒険?──サイケデリックの渦の中でもがくブルース
38)いまだスリルは去らず──70年代ブルースのしぶとさ
39)ブルース、日本上陸)来日ブルースマンと和製ブルース・ブーム
40)ブルース、再び最前線へ──ファンク・ビートが駆動輪
41)メインストリームの裏で──痛いほどに突き刺さる告発ブルース
42)颯爽と現れたブルース兄弟──笑いと愛情で導くブルースへの入り口
43)ビートルズ世代のブルース──ロバート・クレイと80年代の新しい芽
44)ギター・ハリケーン到来──スティーヴィ・レイ・ヴォーンとブルース回帰
45)ブルースでひと息──南部黒人たちの憩いのブルース
46)90年代ブルース狂騒──CD時代にやってきたブルース・バブル
47)催眠グルーヴの渦──時代と共鳴したヒル・カントリー・ブルース
48)潜り込むブルース──ヒップホップとつながるもの
49)ブルース100歳を祝う──文化遺産と観光資源
50)生きているブルース──2010年代のブルース・トゥデイ

ディスク・ガイド1[オムニバス・アルバム編]
ディスク・ガイド2[45回転シングル編]
主要ブルースマン生没年一覧
主な参考文献
人名索引
1
inserted by FC2 system "; var ifrd = ifr.contentWindow.document; ifrd.open(); ifrd.write(htmlcode); ifrd.close(); } } var CriteoAdUnits = { "placements": [{ "slotid": criteoSlotId, "zoneid": criteoZoneId }]}; window.Criteo = window.Criteo || {}; window.Criteo.events = window.Criteo.events || []; var processCdbBid = function() { var bids = Criteo.GetBidsForAdUnit(criteoSlotId); if (bids.length > 0) { var bidFound = bids[0]; Criteo.RenderAd({ bidId: bidFound.id, containerId: bidFound.impressionId }); } else { passback(); } }; Criteo.events.push(function() { Criteo.RequestBids(CriteoAdUnits, processCdbBid, 2000);}); }();

inserted by FC2 system "; var ifrd = ifr.contentWindow.document; ifrd.open(); ifrd.write(htmlcode); ifrd.close(); } } var CriteoAdUnits = { "placements": [{ "slotid": criteoSlotId, "zoneid": criteoZoneId }]}; window.Criteo = window.Criteo || {}; window.Criteo.events = window.Criteo.events || []; var processCdbBid = function() { var bids = Criteo.GetBidsForAdUnit(criteoSlotId); if (bids.length > 0) { var bidFound = bids[0]; Criteo.RenderAd({ bidId: bidFound.id, containerId: bidFound.impressionId }); } else { passback(); } }; Criteo.events.push(function() { Criteo.RequestBids(CriteoAdUnits, processCdbBid, 2000);}); }();


teacup.ブログ “AutoPage”
AutoPage最新お知らせ
inserted by FC2 system