2020/3/29

ブルース百歌一望  ブルース

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日暮泰文さんの新著「ブルース百歌一望」が届きました。日暮さんと言えば、ブルースインターアクションズ/Pヴァインレーベルを創立した日本のブルースシーンの草分け的存在。もう、P ヴァインから身を引かれて久しいですが、Pヴァイン下の雑誌/ブランドele-kingからのリリースです。

ブルースの曲を100曲(実際は101曲あります)取り上げ、その曲にまつわることを日暮さんが語ります。400ページ近い分厚めの本ですが、1曲あたり2〜4ページ程度で完結しているので、時間を見つけてちょこちょこ読めます。読む順番も自由でよさそう。

データ重視のディスクガイド的なものではなく、日暮さんはエッセー調にその演奏者のことを始め、歌詞の内容や曲がリリースされた当時の時代背景などについて、自分の切り口で綴っています。取り上げられているのは有名曲もありますが、必ずしもそういうものばかりではなく、日暮さんが個人的に好きなものやネタにできそうなものをランダムに選んでいるようです。時代的には戦前ものから1960年代くらいまでの作品が殆どでしょうかね。

日暮さんといえば、Pヴァインを立ち上げた際の起業家視点で書かれた「のめりこみ音楽起業 〜孤高のインディペンデント起業、Pヴァイン創業者のメモワール」も興味深かったですが、それとは全く異なるブルース好きの視点で書かれています。

肩凝ることなく、のんびり楽しめそうな一冊です。

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著名:ブルース百歌一望
著者:日暮泰文
本体 2,500円+税
2020/3/25発売
単行本:380ページ
ISBN:978-4-909483-51-5
発行:株式会社Pヴァイン (ele-king books)
発売:日販アイ・ピー・エス株式会社
http://www.ele-king.net/books/007480/

取り上げた楽曲のリスト
http://bluesginza.web.fc2.com/Blues100_songs.pdf

発行元キャッチコピー
「こんな不条理な時代は、
人生の不条理から生まれた素晴らしい音楽を聴け!
ブルース研究の草分けが書き下ろす
極上のブルース・プレイリスト100曲100話の物語」

[4/1/2020追記]
「時代的には戦前ものから1960年代くらいまでの作品が殆ど」と書きましたが、2015年リリースのシャーウッド・フレミングの曲も取り上げており、1997年のT-モデル・フォードなど1970年代以降の曲もいくつか取り上げてはいます。
巻末に曲名の索引はあるのですが、そこには年代は記載されていません。個々のエッセーの冒頭にリリース年が記されています。
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2020/3/27

追悼ヘンリー・グレイ 1925-2020  ブルース

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Henry Gray at Ponderosa Stomp, 2008
(c)Photo by Masahiro Sumori.

ハウリン・ウルフのバンドで活躍したブルース・ピアニスト、ヘンリー・グレイが亡くなってしまいました。95歳でした。2019年10月に彼がラファイエットの自宅でホスピス・ケアを受けていることが伝えられていましたので、驚きはないのですが、高齢とは言え残念です。安らかに休んでください。

まぁ、でもペースは落ちていたのかも知れませんが、2019年に入ってもまだまだステージに立っていましたからね。90歳のときに来日までしていますから。すごいことですよ。90歳になるまで生存するだけでも大したものだと思うんですが。

まだまだこれからも現役続行しそうな雰囲気もあったので、昨年突如「ホスピス」という言葉が出てきたときには言葉を失いました。でも、そりゃ人間ですから老化は避けようがないですよね。

2015年の来日が決定した際にバイオを書きましたので、もう一度同じ内容は繰り返しません。下にリンクがありますので、そちらをどうぞ。その来日のあと2017年には新作も出しているんですよね。そのときの年齢をズバリ冠した「92」というタイトルで、なかなかいいんですよ。これ聴く限りではまだまだイケる感じがしちゃいます。

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「92」(2017)


なお、4月25日発売のブルース&ソウル・レコーズ誌には僕の書いたヘンリー・グレイ追悼の記事が掲載される予定です。まだ少し先の話ですが、もしよろしければ見て下さいね。

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【過去のブログ書き込み】
ヘンリー・グレイのバイオ
https://black.ap.teacup.com/sumori/1637.html

2015年来日公演日程情報
https://black.ap.teacup.com/sumori/1605.html

今年のフジロックでハウリン・ウルフ・トリビュート・ショウが (2015/3/10)
(2015年来日決定第一報)
https://black.ap.teacup.com/sumori/1603.html

2015年東京公演レポート (2015/8/18)
https://black.ap.teacup.com/sumori/1641.html

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【映像で見るHenry Gray】
Lynwood Slim, Kid Ramosとの共演 (2006)

うわわ、この組み合わせ、豪華ですね。最高ですね。

パリ公演 (2003)
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2020/2/14

Johnny Burgin日本ツアー(2020年)  ブルース

[2020/3/11追記]公演延期です!
新型コロナウイルス流行の影響を受け、今秋以降にこのツアーは延期となりました。日本でレコーディングされた新譜のレコ発ライヴでもあるので、延期になっても必ずやることでしょう。


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ブルース・ギタリスト、ジョニー・バーギン(ロッキン・ジョニー)が今年も日本にやってきます。

今回のツアーは、新譜「No Border Blues」のリリースに合わせたもので、前回同様西日本中心の日程ですが、ジョニーにとって東京のホームとも言える中野ブライトブラウンでの公演も組まれています。

「No Border Blues」は昨年(2019年)来日中に大阪でレコーディングしたもので、日本のミュージシャンたちを主役に立てる形の内容となっているそうです。これがアメリカの老舗レーベル、デルマークから出るのですから前代未聞の快挙と言っていいのではないでしょうか。

今回のツアーではもちろんレコーディングに参加した面々との共演も多々ありそうです。
ツアーの日程は以下の通りです:

Johnny Burgin
「No Border Blues」リリースツアー 2020


5月14日(木) 大阪  Chicago Rock

5月16日(土) 京都  Modern Times

5月17日(日) 東京  Bright Brown
開場19:00 開演19:30
Johnny Burgin(vo,g), Tsuyoshi Kato(g), Yoshimi Hirata(b), Tadashi Kagami(dr)


5月19日(火) 福岡  B.B. Kenchan

5月20日(水) 北九州 Mr. Lefty's

5月22日(金) 大阪  Howlin' Bar

5月23日(土) 和歌山 Hobo’s Bar

5月24日(日) 大阪 Misono Universe


【Johnny Burgin関連記事】
2019年ツアー情報
https://black.ap.teacup.com/sumori/1816.html

2018年来日公演レポート
https://black.ap.teacup.com/sumori/1777.html

2014年ツアー情報
https://black.ap.teacup.com/sumori/1561.html

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「No Border Blues」
https://delmark.com/2020/02/no-border-blues-from-johnny-burgin-coming-spring-2020/
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2020/1/29

アントニオ佐々木を追悼する  ブルース

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先日W.C.カラスとのライヴのレポートを上げた、ギタリストのアントニオ佐々木さんが1月23日早朝に亡くなったそうです。モアリズムのリーダー、ナカムラさんがツイッターで発表しました。1965年生まれの55歳。あまりにも早すぎます。ライヴを見るのはもしかするとこれが最後になるかも?とはうっすら思いましたが、これほど早く亡くなるとは!本当に残念です。

葬儀は直葬で済ませているそうです。

アントニオ佐々木は、福岡のスウィング&ジャイヴ・バンド、ちょい濡れボーイズでの活躍を経て2009年にモアリズムに加入。東京の国立を拠点に活動を始めました。モアリズムは、西川美和監督の映画「ディア・ドクター」(2009年)、「夢売るふたり」(2012年)に楽曲も提供してます。

アルバムもライヴ盤を含めモアリズム名義で7枚がリリースされましたが、2015年の「月のカタワレ」リリース後に佐々木さんが九州に戻ったため、バンドの活動は休止状態になっていました。モアリズムとは別にソロ作も計4枚リリースしています。今年1月4日にレコーディングしたという遺作「誰かギター弾きを知らないか」が今日1月29日からオンラインで発売開始となりました。詳しくはモアリズムの公式サイトへ。


今回佐々木さんにとって久々の東京での公演となったわけですが、7日のLODIのあと、翌日には同じW.C.カラスとのデュオで市川ALMANAC HOUSEに出演、翌々日9日に浅草の花ぐるめでジャズ・セッションに参加しましたが、これが最後のライヴとなってしまいました。この公演後に体調が悪化し急遽都内の病院に入院。1週間ほどで退院し、九州に帰郷したものの、18日に福岡で予定されていたモアリズムの公演も出演できなかったそうです。

佐々木さんが自ら「医師から余命半年と告げられた」とツイートしたのが10月31日のことだったので、1月に亡くなったのは随分早いと感じましたが、余命宣告があったのはもっと前だったようです。ナカムラさんは3月に本人からそのことを聞いたとのことでした。ということは、仮に3月を起点としても佐々木さんがツイートした時点で、宣告された余命は過ぎていたことになります。

佐々木さんの病気がなんだったのかは知りませんが、ウィルコ・ジョンソンが末期がんで余命宣告されたあとに元気に復活した例もあります。なんとか元気になってほしいと願っておりましたが、叶いませんでした。
(追記:W.C.カラスさんによると、佐々木さんは胆管がんを患っていたそうです。)

先のライヴ・レポートで「思ったより元気そうだった」と書きましたが、それはあくまでも「思ったよりは」でした。

その後かつてのモアリズムのライヴ映像を見たら、別人のように元気な佐々木さんがそこにいました。以前見たライヴの記憶が蘇って来ました。先日のライヴではプレイ自体に調子が悪い様子は見られなかったですが、かつてのような超絶プレイがなかったのもまた事実。ご自身の体調を見ながらできる範囲でやっていたということなのでしょうね。



佐々木さん、厳しい体調を押してファンに会いに来てくれてありがとうございました。

佐々木さんが大好きだったプレイヤーたちは、ロニー・ジョンソンを始めあちらの世界におられる人が多いと思います。

彼らと会えるといいですね。
でもまずはゆっくりお休みください。
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2020/1/11

W.C.カラス&アントニオ佐々木ライヴ・レポート  ブルース

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富山の木こりブルースマンW.C.カラスと、モアリズムのギタリストとして知られるアントニオ佐々木のデュオ。この組み合わせによるライヴ演奏が遂に実現しました。

カラスのファンならば彼のファーストCD(2013年)がモアリズムの全面サポートの下、彼らのレーベル、クニタチレコードからリリースされた経緯をご存知なはず。(その後同作はPヴァインから再リリース)カラス+モアリズムという形の演奏はライヴでも実現していますが、デュオということではこれがお初でした。

実はこの組み合わせは、この日の会場のLODIのマスターがかねてより「今度は是非これをうちの店でやりたい」と口にしていたものだったのです。しかし、昨年(2019年)はカラスがWild Chillunに注力していたため実現せず、そして昨年10月にアントニオがツイッターで「医師から余命半年と告げられた」と衝撃の告白。彼は東京から遠く離れた九州在住でもあり、もはやこのデュオを東京で実現するのは不可能かと思われました。

しかし、その後カラスが実現に向けて動き、年明けにデュオでのライヴをLODIと市川のALMANAC HOUSEで行うことが発表されました。12月上旬に予約受付を開始すると、両日とも即完売。小さなLODIの店内は、当日は手荷物を置く場所もないほどの満員状態になりました。

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W.C.カラス

この日の演奏は、主にカラスの曲にアントニオがサポート役に入る形で進行しました。ボビー・ブランドの"Members Only"で和やかにスタート。前半の第一部はモアリズムが参加したファーストのブルース・フィーリング溢れる曲を中心にプレイしました。"白いカラス"など、最近殆どやっていない曲もあって、これは貴重でした。

アントニオは、淡々とプレイしていて思ったより元気そう。カラスにトークを振られると、ボソッと「病人なので優しくしてください」とコメントし、笑いを取る一幕も。カラスが歌いながらリズムを刻んでいるので、アントニオのプレイは歌の合間のオブリガードやソロが中心でした。でも、やはり彼のプレイは素晴らしく、カラスのサウンドにすっと溶け込んでいきます。さして小難しいことをやっている感じではなく弾きまくることもないのですがしっかりブルースのツボを押さえていて、なかなかああは弾けないなと思いました。闘病中とは言え、アントニオ健在なり。

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アントニオ佐々木

第一部は、カラスのギターの弦が切れたところで、開始後40分弱でいったん休憩に。再開した第二部では雰囲気を変え、"信じるものなどありゃしない"(アントニオのリクエストだそう)などバラード・ナンバーや、高田渡のカバーも織り交ぜ、そして終盤は"うどん屋"、"軍手"で盛り上がりも最高潮に。

アンコールも3曲というサービスぶり。"今日も何とか切り抜けられた"は「アントニオが言った言葉を歌にしたんだけど、その本人は参加していなかったよね?」とカラス。そうかそうか、あの曲の歌いだしはこんな感じだったもんね。

 欲しくもない酒を飲みながら
 らしくもないアントニオがしみじみ言った
 今日も何とか切り抜けられた
 俺も同じさ何とか切り抜けられた


アントニオ、しみじみとギターを弾いていました(笑)。

そしてモアリズムの”笑う花”を挟み、この日初めてアントニオがヴォーカルを。カラス抜き弾き語りで"Goodnight Irene"をやってくれました。締めに相応しいこの曲でしっとりとこの日のショーはフィナーレを迎えたのでした。一部が短かったので、早めに終わるかと思いきや、時間は既にこのお店の終演タイム・リミット22時にあと数分と迫っていました。

終了後アントニオ氏に体調について聞いたところ「まぁ、あまりよくはない」とのこと。何とかお元気で!

本人は可能な限りライヴは続けていくそうなので、「また東京にぜひきてください」とお願いしました。でも無理はしないで…

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W.C.カラス&アントニオ佐々木
中野坂上LODI
Tue., January 7, 2020

1st set (19:43-20:20)
1. Members Only
2. Hot Dog Blues
3. 有頂天 BLUES
4. 白いカラス
5. 貧しい町
6. 飯炊き男のBLUES

2nd set (20:40-21:54, encore 21:37-)
7. Asphalt
8. 信じるものなどありゃしない
9. 機関車
10. 仕事探し(高田渡)
11. 誰かが死んだら足を見るといい
12. うどん屋で泣いた
13. 軍手の煮びたし
14. Moonlight Dreamer
-encore-
15. 今日も何とか切り抜けられた
16. 笑う花(モアリズム; W.C.カラスはギターなし)
17. Goodnight Irene(アントニオ佐々木のソロ弾き語り)

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【関連記事】
Wild Chillunレコ発ライヴ@高円寺JIROKICHI (2019/6/5)
https://black.ap.teacup.com/sumori/1840.html

W.C.カラス@三鷹バイユーゲイト10周年FEST! (2016/2/29)
https://black.ap.teacup.com/sumori/1675.html

W.C.カラス@フェスタ・イン・ビニールLa毛利 (2015/12/9)
https://black.ap.teacup.com/sumori/1657.html

町田謙介、W.C.カラス@バイユーゲイト (2014/12/14)
https://black.ap.teacup.com/sumori/1589.html

W.C.カラス@吉祥寺 BLACK and BLUE (2013/8/26)
https://black.ap.teacup.com/sumori/1439.html

ナカムラ&アントニオ@BLUESラウンジ@新宿歌舞伎町BE-WAVE (2011/8/1)
https://black.ap.teacup.com/sumori/770.html
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