2019/8/29
ハリケーン・カトリーナから14年の記念日 ニューオーリンズ

カトリーナで屋根がはがれ
無残な姿を晒すルイジアナ・スーパードーム(2006年)
Photo by Masahiro Sumori.
今年も8月29日がやって来ました。
8月23日にバハマ南東に発生したハリケーン・カトリーナが8月29日、ルイジアナ、ミシシッピに上陸し、両州のメキシコ湾岸地域に甚大な被害をもたらしました。
上陸した際にはカテゴリー3という決して大きくはない勢いだったカトリーナですが(最大はカテゴリー5)、ニューオーリンズではポンチャートレイン湖と産業水路の複数個所で堤防が決壊し、市の80%が水没するという前代未聞の大惨事となってしまいました。
あれから14年が経ち、もう被災の影響を直接感じさせるものはなくなっています。しかし、カトリーナ前には約48万人いた市内の人口は、今現在もその水準にまでは戻っていないというのが大方の見方です。
2006年には政府国税調査局推計で226,000人まで落ち込んだ人口は、2010年の国税調査では343,800人まで戻りましたが、現時点でも40万人程度と言われています。
人種の構成もだいぶ変わっているようです。アフリカ系住民のために建てられた集合住宅が老朽化などのためカトリーナ後に相次いで取り壊され、その影響などでアフリカ系住民の比率は低下し、代わりにラテン系の住民が増えたと言われています。それには、復興のための労働者としてメキシコ人などが移住したことが影響しているようです。
かつて多くのアフリカ系ミュージシャンを排出したトレメ地区は、フレンチクオーターに近いあたりは、古い建物は建て替えられ、随分こぎれいになった感があります。ロウワー・ナインス・ウォードはまだまだ空き地が多いです。
被災の影響にかかわらず、ニューオーリンズの街は年々代わって行きます。記憶も風化していきますが、1年に一度くらいは、こんな大変なことがあったという事実を思いだし、その犠牲に思いを馳せたいと思っております。
こんな書き込みをしている今、九州地方では大変な大雨で浸水被害が出ています。被災した方々が一日も早く平常を取り戻しますように。
【過去の8月29日の書き込み】
13周年(2018) https://black.ap.teacup.com/sumori/1797.html
12周年(2017) http://black.ap.teacup.com/sumori/1751.html
11周年(2016) http://black.ap.teacup.com/sumori/1708.html
10周年(2015) http://black.ap.teacup.com/sumori/1644.html
9周年(2014) http://black.ap.teacup.com/sumori/1564.html
8周年(2013) http://black.ap.teacup.com/sumori/1441.html
3周年(2008) http://black.ap.teacup.com/sumori/161.html
1周年(2006) http://black.ap.teacup.com/sumori/36.html
